葉酸サプリはなぜ摂った方がいいの?

最近、耳にすることが多くなった「葉酸」という成分。水溶性ビタミンであるビタミンB群の一種なのですが、なぜ、近年ここまで注目されるようになったのでしょうか。 それは、近年の研究により、妊娠初期の葉酸不足が胎児に深刻な悪影響を与えることがわかったからです。葉酸は細胞増殖に必要なDNAの合成に必要となる成分です。

妊娠初期の胎児は、特に細胞増殖が盛んな時。そんな大切な時期に葉酸が不足してしまうと、神経管閉鎖障害のリスクが高まってしまうのです。神経管閉鎖障害とは、脳や脊髄などがきちんとくっついていない状態になる先天性の障害です。下半身で起きた場合、運動障害や膀胱・直腸機能障害などが起こり、上部で起きた場合は脳が形成不全になって流産や死産の可能性が高くなってしまいます。しかし、受胎前後に十分な葉酸を摂取することで、そのリスクが大幅に減少することが欧米諸国の研究から解明しました。

そこで、厚生労働省は2000年に「神経管閉鎖障害の発症リスク低減のための、妊娠可能な年齢の女性等に対する葉酸の摂取に係る適切な情報提供の推進について」という、葉酸摂取を推進する通知を出しました。これにより、妊娠可能な女性は特に葉酸を摂取した方が良いということが浸透、積極的な摂取が推進されるようになったのです。

日頃の食事から葉酸を摂っても半分以上は無駄になる?天然の葉酸よりも合成葉酸を推奨

厚生労働省から通知された、1日に必要とされる葉酸は妊娠時で約400μg。しかも、食事からだけでなく、サプリメントや栄養補助食品からも摂取する方が良いと言われています。

そもそも葉酸は、野菜や柑橘類、レバーなどに多く含まれている成分です。しかし食事で摂取した葉酸は、食べてから消化され、腸で吸収されるまでの間に、様々な影響を受けて他の成分に変化してしまいます。そのため、葉酸そのものとして利用されるのは、摂取した量のわずか50%以下。しかも、葉酸は熱に弱い水溶性ビタミン。加熱調理をすると、その際に多くの葉酸が失われてしまうため、蒸し料理にするなどの調理方法にも工夫が必要となってきます。つまり、毎日の食卓に頑張って葉酸を含む食材を取り入れたとしても、葉酸として役立つのは半分にも満たない量なのです。

それに対して、サプリメントや栄養補助食品に含まれている合成葉酸は、食品に含まれる葉酸とは構造が異なるため、体への吸収率が高いことがわかっています。また、神経管閉鎖障害のリスクを減少させることを実証した実験においても、葉酸摂取には合成葉酸のサプリメントが用いられていました。

そのような科学的検証の根拠があるからこそ、厚生労働省も合成葉酸での補給を推奨しているのです。 天然由来の葉酸と聞くと、なんとなく「体にやさしそう」というイメージを持ちがちですが、葉酸の吸収率は合成葉酸に比べて低くなります。サプリ選びの際は、天然か合成か、しっかり確認するようにしましょう。